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大正初期の正月を迎える可部の街
安佐北区可部町 入江乙彦氏提供
平成18年12月30日 可部三丁目 塚本家前の樫の門松
ご案内
むかし、可部は高松山のふもとから可部高校・上市の一帯はうっそうと茂った樫の林でした。
可部の町はこの樫の林を切りひらいて発展しました。
可部では古くから山まゆ問屋や呉服店をはじめ多くの商家は、
左上の写真ような樫の木を家の前に立てて新年を迎える可部独特の門松がありました。
しかし大正時代から自動車が普及しはじめて樫の木を立てる正月の門松は交通の妨げになり
昭和の初期に姿を消しました。
門松は氏神さまや先祖の神様を迎えるための依代(よりしろ)として松や桧、
樫などの常緑樹が使われました。山まゆ織りの産地として栄えた可部の商家が
身近な山に茂る樫の木を門松にして新年を迎え、家内安全と商売の繁栄を願いました。
子どもの頃に父と一緒に毎年山から樫を切って持ち帰り、
家の前に樫の門松をつくった経験のある可部三丁目の朝枝
基様のご指導を得て樫の門松を再現する事が出来ました。
可部の歴史や文化を顧みながらまちづくりを考えてみるのが主旨ですので、
自動車の激しい往来にはくれぐれも注意していただき、
多くの皆さんにむかしの可部の正月風景を楽しんでいただきたいと思います。
この樫の門松は1月4日まで飾りますが、片付けた樫の木は地域の「とんど」の火で燃やします。
期 間 平成19年12月28日 〜 平成20年1月4日(正午)
場 所 可部二丁目34-22 中川醤油店前
可部夢街道まちづくりの会
可 部 カ ラ ス の 会
追 記
可部小学校、可部南小学校、可部中学校、三入中学校、亀山中学校、可部高等学校の校章には
この樫の葉が用いられています。むかし、可部は全国でもめずらしい山まゆ織りの産地でした。
山まゆ蛾はクヌギ、ナラ、カシの葉を食べて“まゆ”をつくります。
また、樫の林から住みかを追われタヌキが可部の住民を困らせたというむかしばなしも伝えられています。
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