長野市『まちの縁側プロジェクト』

25.5.12

 

なかなか長野県には行けないので,

長野県でもうちょっと勉強しようと,

貧乏人の思い付きが始まりです。

 

そこで考え付いたのが,延藤安弘先生の著書

『まち再生のむ術語集』に載っていた

長野市の取り組み『まちの縁側5000プロジェクト』です。

 

その理由は

@  私も載せていただいた本に一緒に載っている取り組みであること。

A  私が副理事長をしているデイサービス施設の名前が『縁が和』であること。

B  私が参加している地域福祉のあるべき姿を考える研究会『かべ水の会』で

いきいきサロンが,なかなか上手く機能していないという現実を議論していること。

C  同様に,社協や地域包括の役割を議論しており,社協の取り組みとして興味深いこと。

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といった,想いから,

『日曜日』『たった3時間』『調査者たった1人』という,

常識ではありえない視察のお願いをしてしまいました。

 

こんな無茶なお願いにもかかわらず,

長野市社会福祉協議会のボランティアセンター

担当の西澤さんは,いろいろご配慮いただいて,

受け入れをしていただけることとなりました。

 

さあ,長野市へ向かいます。

松本市を出発した しなの9号

日本三大車窓と言われる『姨捨』を眺めながら

長野市へ到着です。

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駅には,西澤さんが,わざわざ迎えにきてくださいました。

そのまま,まちの縁側めぐりです。

 

まずお邪魔したのは,『しゃれもんはうす』というファッションギャラリー。

お店の前には,農家の野菜や,手作りの手芸品。

ファッションギャラリーと野菜は・・・。

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ブティック店頭の干し大根

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お店に入ると,直ぐに丸テーブル。

ここって,一番目立つ所で,一番のお勧め品を並べるところでは・・・。

ブティックの常識が・・・。

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聞くところによると,オーナーはアパレル業界で世界を飛び回っていた方。

どう考えてもわからない・・・。

 

それではオーナー登場,山岡さんです。

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お話を聞き始めると,ひとつひとつ疑問が解けていきます。

 

お店の一等地にある,この丸手―プル,そして店頭の野菜。

みんな,山岡さんの思いが詰まっているんですね。

 

失礼な言い方かもしれませんが,物を売るというよりも,

この仕事を通じて,社会を,人生をたのしんでいらっしゃると感じました。

 

だから,いろんな人たちが,山岡さんに魅かれてやってくる。

そこで,また新たなコミュニティが始まる。人と人がつながっていく。

山岡さんは,点である店から,線になり,

面になるまちづくりとおっしゃってます。

小さな点である縁側が,とても大きな面を創りだしていくこと,

大きな学びをいただきました。

 

山岡さんのお店の中を少し紹介しておきましょう。

店頭に飾られているのは,お店に遊びに来るおばあちゃんの作品,

売り物ではありません。

どう考えても,ブテックよりはボラセンですよね。

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これもお客さん作の見守り地蔵

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お爺ちゃん手作りの高齢者用ガイドマップです。

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お店の前の街路樹の下には,善光寺参りの方がいつでも休めるように

木陰のベンチが,

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行政もベンチを設置していますが,全部炎天下で誰も座っていません。

ベンチの下には,リンゴが置いてあります。

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なんと鳥用のりんごでした。

これだけでも,山岡さんの優しさがおわかりいただけるでしょう。

 

実は今回,松本でデジカメの電池を使い果たし,

携帯の電池もわずかとなり,カメラが使えませんでした。

ということで,なんと西澤さんに,撮影までお願いしたのです。

なんたる不届きものでありましょう。

でも,不届きのおかげで,この西澤さんのべすとショットが生れたのです。

題して『やさしいベンチの下のやさしいリンゴ』

西澤さんならではの作品でしょう。

 

 

それでは,次の縁側にむかいましょう。

同じ,善光寺参道にあるお茶屋さん。長喜園さんです。

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お店の一角で,善光寺参りの方に休んでいただこうと

お茶や,お茶アイスの販売をはじめられたとのこと。

 

中央には,対面テーブルがあり,

ここで,常連のお客さんとのお話がはずむようです。

御夫妻と西澤さんです。

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お茶スウィーツです。

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もちろん,美味しいお茶もいただきました。

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やさしいご夫妻のお話もたくさんお聴きし,

西澤さんの運転で,縁側車窓めぐりです。

学生たちがやっている工房等,いろいろみさせていただきました。

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そしてボラセン到着,

ボランティアのみなさんが,東北へ送る書籍のカバーリング作業をされていました。

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ここで,いろいろお話をうかがいました。

いただいた書籍です。縁側がいっぱい詰まっています。

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さいごに,まちの縁側,大きなプレートで記念撮影。

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たった3時間の調査でしたが,とっても勉強になりました。

 

西澤さんにお送りした,お礼のメモをそのまま掲載させていただいて,

長野市訪問の報告とさせていただきます。

 

先進地調査のお礼

 先日は,ご多忙の中,貴職で展開されております先駆的取り組み,

まちの縁側プロジェクトの調査にご協力いただき,

誠にありがとうございました。

私どもの地域でも,死ぬまで暮らしたい町づくりを目指して

各種の場作りの取り組みを展開しておりますが,

いきいきサロン等のお仕着せのシステムでは,

運営側も利用者も多くの課題を感じざるを得ない状況です。

まちづくりや福祉の関係者,

社協や包括の有志も入った勉強会を行っていますが,

それぞれの立場で考えても,
作りは非常に重要なポイントとなります。

今回は,そうした熱く場作りを語る仲間の代表として,

貴市を訪問させていただいたところです。

西沢様には,ご多忙の中,ほんとに丁寧にご案内いただき

ありがとうございます。西沢さんの,そして貴職のまちの縁側への熱い思い,

十分に理解させていただきました。

そして,それは私たちの思いと同じものでした。

やっぱり『人』なんですね。

シャレモンハウスの山岡さんのお話もそのとおりでした。

ややもすると,箱であったり,スペースであったりするわけですが,

そこに『縁側人』が必要ということを確信することが出来ました。

私どものNPOでも,デイサービスと地域プラットフォームを

合体させた施設『縁が和』で場づくりにチャレンジしています。

ほかにも,やさしさのまちづくり屋台村や,

地域福祉のあり方を語る研究会等を展開しています。

少々遠方にはなりますが,是非,指導に来てください。

お忙しい中,ほんとうにありがとうございました。

 

先日いただいたプレートを,うちの施設に飾らせていただきました。

 

町の縁側 広島1号店

広島1号

 

 

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