■残してほしい可部の写真展■

 可部では5月最終の土曜、日曜は『大文字祭』で賑わいます。そして「可部カラスの会」は
このお祭にあわせて、イベントを実施しています。
 カラスがヨチヨチ歩きをはじめた一昨年は"なつかしい可部のまち"写真展を、昨年は
"大正末期の可部周辺"と題して可部三丁目の藤井一臣さんから提供を受けた映像と
写真を展示して、地域の話題になりました。
 この写真展を通して、古い可部をご存知の方には"可部のよき時代"を思い起こす起爆剤に、
新しい方にとっては"古い可部の様子を知るチャンス"になったようです。
今年は、"温故知新"と言う言葉がありますが、"可部の良いところを見直し、さらに発展させたい
"そうという思いを込めて、"残してほしい可部のまち"写真展を開催することにしました。

 毎月2回開く定例会でイベントの方向付けを確認、担当も決めて作業に取り掛かることにしました。
先ずは地域の皆さんにこの企画を周知することが大切です。例年どおりチラシを印刷し、
各世帯へ配布していただくようお願いましたが、町内会の役員さんも配布をこころよく
引き受けてくださいました。
現在可部のまちに残っている様子の中からこれだけは残したいと思われる、シーンを写真に残し
可部、三入、大林、亀山それぞれの地区の方に応募していただくことで、広い地域から
応募していただくよう考慮しました。
 一方グループの中でも、自分の思いを込めた写真を撮って回る動きが出てきました。
可部の町は日々変わっています、こうした変化をどのように打て止めていけばいいか、
 地域の人に呼びかけたところ、約300点近い応募がありました。

              

 5月14日(日)に写真展の準備のため集まったカラスのメンバーも
不安を抱きつつの呼びかけにもかかわらず路地裏の風景、神社、地蔵さん、
建物など色々な写真がよせられました。
すでにパソコンで処理された写真に整理番号と詳しいデーターを添付のうえ
A3版のファイルにラミネートして1枚づつできあがります。メンバーの中から、
できあがる写真を見ては"ここもいいよねー"と感激の歓声が上がる場面がたくさん見られました。
メンバー6人がほぼ1日かかっておおかたの処理が終わりました。

 この企画に大量の写真を提供してくださった岡田さんは、「カラスのねらいが理解できるので、
もう少し時間をかけて集めてみたい」との力強い声援をいただきました。
まさにそのとおりで、この企画はこれから2〜3年かけてより多くの人たちから
情報の提供をいただきたいと思って進めています。
写真展は平成12年5月27日(土)午前10時から午後9時と、28日(日)午前9時から午後3時まで
開催の予定で、例年どおり可部学区集会所の1階を借りて前日から展示の準備にかかりました。
私たちの写真展も今年で3回目を迎え、この写真展をみて、町の人がなんらかの
思いをもっていただけると思います。

                  

 大文字祭りにあわせた写真展の第1日目はあいにくの雨でした。
さすがのカラスもお天道様を味方に引き入れることはできません。
それでもチビッコのお客さんや可部小学校のPTAの代表(出前授業のための打合せ)やら、
ささやかながらもにぎやかなうちに1日目を終了しました。
 2日目は晴天に恵まれて開始時間前から入場する人もあり大変なにぎわいでした。
お客さんの中には昨年までの"なつかしい可部"のイメージで来場された方もあったようですが、
わたしたちのねらいをきいて"なるほどおもしろいね"とか"いつもは見過ごして通るのに、
ええところがよけーあるんじゃねー"などの感想が聞かれました。

また私たち活動する情報をキャッチしたテレビ局が写真展の様子を取材にこられました。
そしてこの様子は安佐北区全域に1週間にわたり(時間を区切って)放映されました。
今回の写真展では集まった作品をジヤンル別に区分して展示するとともに、
来場者に"お気に入り"写真の番号をアンケート用紙に任意の数だけ記入してもらいました。

下の表はジャンル別写真の数とお客さんが記入した点数です。いささか乱暴な切り口ですが、
これでも少し傾向が見えてくると思います。

ジ ャ ン ル 出 品 得 点
花のある風景 21 6
町並み路地 20 60
根の谷川と橋 12 15
まちかどアラカルト 21 45
神社仏閣 32 24
あるがままの可部 43 192
うだつや格子の家 145 186


 一つは"あるがままの可部"、ここには人気が集中しました。福王寺中腹から撮った"初日の出"、
河戸駅付近の"可部線"、大和重工付近の"千代の松"、南原川合流点"などなど目白押しです。
もう一つ"うだつや格子の家"は出品点数が圧倒的でした。
現在可部のまちに残っている様子の中からこれだけは残したいと思われる、シーンを写真に残し
可部、三入、大林、亀山それぞれの地区の方に応募していただくことにしました。

  
■反省会で『ようやったのお』■
 アンケート用紙の中には"うだつの写真は全部○"と記入されたものがあるように、全
ての写真がすばらしく、いずれも甲乙つけがたいと言う感じでした。
お酒の大好きなカラスの連中、写真展を終了して直ちに反省会、お酒を飲みながらも写真展の
成果と反省を。
その意見を集約してみると、"おんなじ場所でも四季を通して撮ってみるともっと面白くなる。
継続することでもっと写真は集まる"、"多くの人たちに参画する気持ちがわいてくる"などの
感想を聞くことができました。
なお、この企画は今後2〜3年継続して行う予定にしていますのでみなさんも写真を
撮って提供していただきたいと思います。
今回の写真展を通して色々な方と交流する中で、残したいものが建物などもありますが文化、
伝統などソフト面も残してほしいとの意見もあり、われわれの役割も少し見えて
きたような
気がしました。


              
 

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