大盛況でした今年の“大文字祭り”のフォーラム。主役は可部の町生え抜きの大先輩たちでした。そのパワーに支えられて、カラスも頑張りました。“昭和初期の可部の町再現”は、1年半を経過して大きな花を咲かせました。先輩との調整に町中を走り回った梶川さん、よろこんで応えてくださった町の先輩たちの思いがひとつになって今回《大文字祭り》のイベントができたんです。「わしらが出る幕じゃあないで」と言いながらフォーラムに出演してくださった皆さんをはじめ、その話を聞きたくて集まられた皆さんの気持ちが一体となって大きな輪ができました。出演してくださった皆さんの話を要約すると、次のとおりです。

副田 克美さん 大正101921)年  昭和3年は可部小1年生だった。子どもの喜びはチンチロビッツ。上市(現ビッグ)の牛市では軽業など催し物が10日くらい続いた。広浜線(可部線)にも軽便にも乗りました。軽便では八木峠で大人が降りて軽便を押してくれた記憶があります。最近は町全体でやるイベントが無くて寂しい。

柿本 訓三さん 大正 61917)年  絶滅した商売の傘屋をやっとりました。寺山は水晶がとれたんで、取りに行ったもんです。最近「町の中から音、匂い、色がなくなった」と感じます。鍛冶屋、鉄工所など音、酒屋、醤油屋の匂いで溢れていたが、そんな町でなくなった。根の谷川にホタルが飛び交うことを信じています。

深川 誠男さん 大正101921)年  こまい(小さい)ころ、寺山でチャンバラの近藤勇ばっかりやっとったけぇ勉強はせなんだ(しなかった)。えろ(偉く)うなっとらにゃあいけんのに…、こう言う結果ですわい。(拍手と爆笑)昔は「ガキ大将」いうのがおって、時にゃあ「柿を取って来い」とか「川で魚を取って来い」とか、今みたいに「金を取って来い」とか言うような事はありまへんでした。

朝枝 基さん 大正131924)年  この昭和初期の可部の町並みという冊子を読んでみたが、ここに書いてあることは聞いたことがなかった。よう調べとってじゃ。おもちゃは買うて貰えんので工夫しよった。木谷さんのとこでラムネを作りよったが、ビンが割れるとラムネの玉が出てくる。それを貰うて遊びよりました。ラムネッチン(マーブル)言うてねえ。釘立てと言うて五寸釘を使う遊びやヨーヨーもありました。

深川 友三郎さん 大正141925)年  子どもの頃先生はおそろしかった。宿題を忘れると教室の後ろに立たされた。尊敬の念とおそろしさが同居していたようだ。家の中では「畳が擦り切れるけえ」言うて遊ばせて貰えんかったのぉ。根の谷川と寺山が遊び場で、川で魚を取るのは“追い〆め”(鵜縄のミニチュア版)で、魚を石の下にすくませておいて、それに「テッピン」言うて石をぶつけてとりましたのぉ。

 もう一つ目を見晴らせてくれたのは樋野村さんが持ち主の了解を得て写させてもらった、現存する商家の佇まいをテーマにした写真です。
 来場された皆さんも、フォーラムの合間を縫って魅せられたように眺めておられました。撮影に応じて下さった方に配意して名前を伏せての展示でしたが、これが引き金になってもっと紹介することができるようになればまた一つ、面白い写真展が可能になる予感もあります。協力いただいた皆さんありがとう。
 また、来年もみんなで一緒に楽しいことをやりましょうゃ。

■会報54号より


 皆さんの熱〜い視線の中で開いた“昭和初期の可部の町並み再現”フォーラムがカラスの予想以上の反響でビックリしています。
 
 なんと言っても可部の町を支えてきた大先輩の力のものすごさを感じたのはカラスよりも参加者の皆さんでした。それは発表を聞く参加者皆さんの表情のなかに感じました。アンケートの中から皆さんのご意見をつぎに紹介して、今後の私たちの活動の糧にしたいと思います。

年代別

〜50歳 50歳代 60歳代 70歳〜
20 24 13 22

居住地別

可 部 可部南 可部東 亀 山 三 入 大 林 その他
39 25

70年前の可部の町の話を聞いた感想(複数回答)

昔の可部の町は活気があった。商工業も繁栄していた。 50
道路や町並みも今もまだ残っているところがある。 45
当時の暮らし方や、まちの様子は、今と大きく変わっている。 32
昔のものも大切だと思った 34
これからの新しい可部の町づくりについて考えてみたい。 20
その他  3

この会に参加して興味深く感じたことはなんですか、その他の感想(任意の回答)
・昔の川、道路、町名の変遷。
・(可部バイパス)が完成すると可部の町並みをゆっくり散策してみたい。
・明治
18年生まれのおじいちゃんの話を思い出しました。
・昔のような活気のある町並みを今一度再現を。大文字祭、来年も来たいと思います。
・普段、気にもとめずに何気なく歩く町並みにたくさんの歴史があることを発見でき有意義でした。
・子供に「ここには〜あったんよ」と、にわか教師になって教えたいです。
・太田川の流路の変遷、湧水等の自分にとっての新しい発見。
・温故知新 大切なことだと思います。
・このようなお祭は例がなく、非常に感銘した。

・交通史、昭和中・後期の町並みも知りたいですね。
・休日は旧道を歩行者天国の実施をお願い。
・想い出だけでなく今後の町のため発展案も考えてください。


文化トップへ  カラストップへ 管理者トップへ