■マンホールお披露目■


                       
                         ↑修さんデザイン。

  可部で全国でもはじめて、地域の人たちによって住民がデザインし、
選んだマンホールをまちづくり市民グループ『可部カラスの会』が
 お披露目のセレモニーまでやってのけるという楽しいイベントが
行われました。

 1998年12月26日(土)、バブルははじけたけれど景気の低迷を吹き飛ばそうと、
可部町新中央商店街振興組合が実施する「年末大売出し」にあわせて実施した
"マンホールのセレモニー"を披露する前に、これまでに至った経緯紹介しましょう。



                    ■よがんす祭でデザイン選考■

                      

 54号線「可部上市」「可部中央」間の歩道がカラー舗装されることになり、
「と歩道が新しいものになるんなら、マンホールも新しいデザインにしたい。
そしてその選定は住民の意向で決めたいので、カラスさんやってくれませんか?」
 とてつもなく面白そうな"可部新中央商店街振興組合"からの申し入れです。
「面白い!やってみるかぁ」決めたら速いのがカラスのカラスたる所以です。
発想はだんだん膨らんでゆきます。当初業界側のデザインで振興していたんですが、
 「町に住んでいる人にもデザインして貰うたらどうかねえ。」話とともに浮上してきたのが
可部三丁目に住む"自然をこよなく愛し、自然の音を愛する加藤 修さんでした。
 8月21日(土)に開かれた『第3回可部新よがんす祭』では会場に8種類のデザインを
大きく掲示して、その中から"可部に一番ふさわしいデザイン"を投票により選んでいただく
段取りです。
当日は安佐北区長さんも来場され、様子をじっくり見て帰られました。
 カラスはお客さんに趣旨を訴えて自分の好きなデザインを投票してもらうように呼びかけました。
これに対して参加した人たちの反応はは「へえ〜これは面白いアイデアじゃね」
「遊びの感覚で投票できるし、自分が選んだ気持ちになるね」などなど、 関心度は高かったように
思われます。。
 投票総数406票の中から選ばれた二つのデザインをベースに、可部カラスの会が時間をかけて
審議した結果地元の音楽家で自然をこよなく愛する加藤修さんのデザインを推薦することに
決まりました。そしてこのデザインは全国的な視野で見ても画期的なもので、
専門家の間でも話題になったと聞き及んでいます。



                  ■火の粉をちらしてマンホール完成!■

                           

 さて、これからはマンホールの蓋作成の工程に入ります。加藤さんのデザインは
型を取るためのプログラム処理された機械にかけられ、模型彫りの作業から開始されました。
プログラムにしたがってピンが盤の上を正確にたどって行きます。
 鳥の頭の部分から始まった作業は約4時間かけて左図の形に。
 10月1日には鋳込み作業開始。1,500度の熱に溶かされた鉄が鮮やかに火の粉を
散らしながら型に流し込まれ、その後複雑な工程を経て日の目を見るに至りました。
その完成は作業に従事した人たちと同様、私達にも大きな感動を与えてくれました。



                    ■SAYANで始まるアトラクション■

                          

  さて、いよいよイベント当日の描写へと移ります。
 当日の総合司会は金物屋を営む西本さん。持ち前の元気で開会を宣言。
続いて可部新中央商店街振興組合の
 佐々木会長の挨拶は「一つのものをやり遂げた」という喜びを噛み締めたものでした。
 カラスの出番は、お得意の"寸劇"ですが、この寸劇、「空想民族音楽SAYAN」の登場を促す
仕組みでした。アフリカの太鼓を抱えた加藤 しゅう修さんと奥さんのりん倫さんがステージに
上がり華やかなドラムショーの幕開けです。
 セレモニーに臨んだお客さんの殆どが"年末大売出し"のくじ引きがお目当ての人たちなので、
最初のうちは 「なんじゃ、こりゃあ」と戸惑い気味でしたが、いつの間にやらSAYANの音に
引き込まれて手拍子が出る始末でした。
 興に乗った、修さんと倫さん、ステージを降りて太鼓を叩きながら会場を一回り。
参加した人たちも目の前で奏でられる音の素晴らしさに手拍子も次第に大きくなり、
お祭の雰囲気は一挙に盛り上がりを見せました。



                       ■除幕式に祝い太鼓を添えて■

                         

 続いて本日の"物言わぬ"主役のご登場、マンホールの除幕です。幕のテープは
商店街振興組合から佐々木会長、参加者の中から選ばれた大林の山田さん、
そしてカラスの会から副代表の三木さんの三人が引きます。
 テープを引くと"黒塗りの雄姿"が皆さんの前に現れました。もちろん皆さんから大きな拍手が
起こりました。そしてセレモニーのしんがりを引き受けてくれたのが
文教女子大学付属高校"和太鼓部『文教太鼓』"のメンバー総勢9名。
"祝い太鼓"は色鮮やかなハッピに身を包み、一糸乱れぬバチさばきでセレモニーに
花を添えてくれました。
 お開きの挨拶にたった商店街振興組合の仁井さん、
「可部にこんな立派なマンホールを残してくれた修さん有難う」の声に会場は大きな拍手に包まれ、
最後に全員の"一本締め"でセレモニーを終了しました。
 除幕式の参加者代表に選ばれた大林の山田さん「親戚のものがマンホールに
かかわった仕事をしているので、今日は孫を連れて来て見ましたが、まさかセレモニーに
代表で選ばれるなんて……、でもよかったです。」と感想を述べてくださいました。



                         ■みんなでジャンケン勝負■

                           

 セレモニーは終わってもこのままでは終わらないのがカラスの特徴。せっかく集まってくれた
お客さん自身にも喜んでもらおうと「ジャンケン大会」の始まりです。
ルールは至って簡単、じゃんけんで敗者が勝者の顔にシールを貼り、沢山のシールを貼られた順に
入賞が決まると言うものです。
お年寄りから子供まで……、あちらこちらで輪ができて「ジャンケンホイ」の声が飛び交って
ささやかな賞品にニコニコ顔が並びました。素晴らしいイベントのフィナーレでした。
このお宝くんのお披露目セレモニーに先立って、午前9時から国道54号線の可部上市から
可部中央までに設置されていた古いマンホールの蓋との取り替え作業が始まりました。
さすが玄人の集団です。1個が40キロあるマンホールが軽々と持ち上げられ、新しいマンホールに
取り替えられました。
 その間約40分という工程でしたが、まだ気づいた人は少なかったんです。
それでも新しいデザインのマンホールを見た方もあって、 「いままでマンホールの蓋まで
意識せずに歩いとったんじゃが、気をつけて見るとええネェ」という感想も聞かれました。



                         ■マンホール設置完了!■

                           

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