■会報73号より■

  太田川〜大芝

突然の話ですが、“葦舟を作って宮島まで行こう”という話がカラスに持ちこまれました。
呼びかけに応じて
125日、袋町の「市民交流プラザ」へ。
ところがスケジュールをみると「レトロバス」の計画と重なることがわかりました。
そこでカラスに出来ること、根の谷川流域で葦を刈り、広島まで運ぶことにしました。

早速128日の定例会で討議したところ、カラスとして「根の谷川の葦を刈る作業に子どもたちにも
参加してもらうこと」「かつて生活物資の輸送など太田川の舟運で繁盛した可部の町であり、舟で運ぶ」
ことが決まりました。そしてカラスの特徴をふんだんに活かした企画が続々と提案されました。

そして行動開始。まず葦の調査で三篠川へ、空振りでした。次いで根の谷川へ、可部高校付近で
見つかりました。点検の結果寺山橋付近や上原橋付近にも生えていることがわかりました。

川下りの安全祈願は三入神社の宮司さんにお願いして次の予定で執り行われます。
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299時〜10明神公園鉄灯篭前
式典終了後は舟が待つ太田川まで葦をみんなで運ぶことになります。
できるだけ賑やかに運んで舟に載せたいと思います。
船頭さんは久地・
野冠 ( のかずき ) の渡 康磨(元太田川漁業組合長)さんで、ほかにカラスのメンバーが
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名乗船する予定です。
高瀬堰の「舟通し」水門を開き、約
30分かけて堰を通過して、目的地は大芝の太田川放水路。
簡単な引渡しセレモニーを終えて舟はトラックで可部へ。可部へ帰ったら祝杯が待ってます。


■会報74号より■

 

横川・可部が陸にロマンを求めるなら、こちらは海に…というわけではありませんが、葦舟プロジェクトから
「葦を集めてこしらえた舟で宮島まで航海しよう」との話を具体的に聞いたのは
125日(日)のことでした。
スケジュールを見るとレトロバス復元イベントのスケジュールと重なっています。


やむを得ず葦を刈って届けるところまで応援することにしました。 
 さて、葦がどこにあるのやら…と根の谷川へ。可部高校運動場横や寺山橋付近にありました。
足場のよい寺山橋で作業することを決定。地域の各学校にも案内をしました。
実施日は
228日(土)カラスや葦舟の会のメンバーに混じって可部高校生徒諸君の顔も見えます。
30名の集団ができたところで、自然環境や野鳥などへの配慮や注意事項を確認後、作業に入ります。葦を刈ること約2時間。
太田川から船で運ぶ葦だけを残してトラックへ。一緒に集めたゴミも引き上げ、翌日処理場へ運んで予定の作業を終えました。




前夜の激しい雨も小降りとなってきましたが、明神公園には水溜りが。安全祈願に対するカラスの思いに快く応じて、船頭の役を引き受けてくださった渡 康摩さん、舟運の神事は初めてながら、受けてくださった三入神社の末田宮司さん。
7時に集合したカラスのメンバーも会場設営の動きに活気が伺えます。
神事開始の9時には雨も上がり、葦舟プロジェクトのメンバーも集合。おごそかな「降神の儀」、宮司の声にかしらを下げて…。
舟運の意義をうたい、太田川の舟下りと葦舟の宮島までの航海安全を祈願した、非常に解りやすい 祝詞 (のりと)奏上に一 同感激の面持ちでした。




太田川橋の下側で待ち受けた舟に葦を載せて水辺まで運び、岸で手を振る人に送られて舟のスタートです。
約30分で高瀬堰に到着。大勢の人に迎えられて、“舟通し”を通過するため下船。その後土手を行く人たちが手を振ってくれる姿に応えながら“    
安芸大橋”付近に到着。風の影響などで少し手間取るひとこまもありましたが、どうやら三滝橋の葦舟づくりの拠点へ到着。
引渡しのセレモニーでは船頭のチーフ渡さんから葦舟チーフの中川さんに葦がしっかり渡されました。
そのあとはささやかな交歓セレモニー。全員が乾杯して葦舟の完成と航海成功を祈念しました。カラスは車で可部へ。
そして久地へ舟を収めて“ご苦労さん会”へと流れました。


このまちづくり市民グループ可部カラスの会の人たち、歴史を探求し、祖先の人たちの創意工夫に思いを馳せて…
 中略 
太田川を出でて瀬戸内海に漕ぎ出して宮島の大鳥居まで…

葦舟が見事に完成し美しきその舟の姿を…

なんとわかりやすい祝詞でしょう。三入神社宮司さんの自信作、「難かしかったが、こんな祝詞はどこにもないよ」
と満足そうでした。

■会報76号より■



多くの人たちに感動を与えてくれた葦舟“みたま号”は、4月17日に広島観音マリーナから漕いで宮島へ出発しました。そして翌日“朱塗りの大鳥居”をくぐって厳島神社に参拝し、所期の目的を達成しました。現在葦舟は、広島観音マリーナに係留していますが、522日に陸揚げして解体することになります。カラスもこのプロジェクトに参加して、おかげで愉しい日を過ごすことができました。葦舟の会の皆さん、感動をありがとう。

 


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